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AI社員と一緒に働くという選択肢 — 小さな会社こそ、AIを「組織」にしてみる

Katallizeは、2026年3月に設立したばかりの小さな会社です。小さな会社の現実として、戦略づくりもマーケティングも、サイトの更新も記事の執筆も、やるべきことの種類は大きな会社とほとんど変わりません。違うのは、それを担う人の数だけです。

そこで私たちはこの7月から、コーポレートサイトの運営とウェブマーケティングを、AIエージェントによる「AI社員」のチームに任せる体制を始めました。今日はその実践を、等身大のまま書いてみます。

「ツール」ではなく「組織」として迎える

チャット画面で生成AIに相談する使い方は、すっかり一般的になりました。私たちが試しているのは、その一歩先です。AIエージェントの一体一体に「役割」を与え、業務手順書を持たせ、チームとして動かすことです。

具体的には、事業戦略、マーケティング、営業資料の作成、サイトの実装、デザイン、記事の執筆、品質レビュー——といった役割ごとにAI社員を定義し、それぞれが参照する業務手順書と、会社情報・ブランドガイドラインの「正本」を整備しました。私は代表として指示を出し、成果物を確認して承認する立場に回ります。この記事も、私の企画をもとにAIでドラフトの原稿を起こし、加筆修正をしたうえで公開しています。

やってみて分かった3つのこと

始めてまだ日は浅いのですが、すでにいくつもの気づきがありました。

1. 手順書を書くことが、いちばんのDXだった

AIに仕事を任せるには、「この業務は何のためにあり、どう進め、何をもって完成とするか」を文章にする必要があります。書き出してみると、自分の頭の中にしかなかった判断基準がいかに多いかに驚きます。「会社情報はどのファイルが正か」「どんな表現は使わないか」「公開前に誰が何を確認するか」。これは、人間の新しいメンバーを迎えるときの準備とまったく同じです。AI導入の副産物として業務の言語化と標準化が進む——順序としてはむしろ、こちらが本編なのかもしれません。

2. 品質は「信頼」ではなく「仕組み」で守る

AIは流暢に、もっともらしく間違えます。だから私たちは、性能への信頼ではなく仕組みで品質を守ることにしました。存在しない実績・事例を書かない、事実には出典を付ける、といったルールを明文化する。品質レビュー専任のAI社員が成果物をチェックする。そして公開前には必ず私がテスト環境で確認し、承認する。多段の関所を通す分だけ速度は落ちますが、対外的な発信で信頼を損なうことに比べれば、安い代償だと考えています。

3. 最後に残るのは、人間の判断と責任

AI社員が増えても、「何をやるか、何をやらないか」を決めるのは人間です。むしろ手を動かす時間が減るぶん、問いを立てる仕事、方向を決める仕事、責任を引き受ける仕事の比重が上がります。AIと働くことは、人間の仕事を消すというより、人間にしかできない部分を輪郭のはっきりしたものにしていく感覚に近い、というのが今のところの実感です。

小さな会社こそ、試す価値がある

中小企業基盤整備機構の実態調査(中小機構「中小企業のAI等の利活用に係る実態調査」)でも示されているとおり、AIを実際に業務へ取り入れている中小企業はまだ少数派です。「何から始めればいいか分からない」という声も、現場でよく耳にします。

私たちの実感では、最初の一歩は大きな投資ではなく、「一つの業務を言語化して、AIに任せてみる」ことです。むしろ承認や決裁の距離が近い小さな会社のほうが、この試行錯誤を速く回せる。うまくいかないことも含めて、その過程そのものが組織の学びになります。

あなたの会社で、最初にAIに任せてみたい業務は何でしょうか。「うちの場合はどこからだろう」と考えてみたくなったら、ぜひお気軽にお声がけください。私たちは答えを押し付けるのではなく、対話しながら一緒に考える「触媒」でありたいと思っています。

(文: 株式会社Katallize 代表取締役 青崎 愛史)

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